VO2Max向上(Zone5)の苦しみをどう乗り越えるか?ニーチェ「超人」思想に学ぶ限界突破

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VO2Max向上 (Zone5) の苦しみをどう乗り越えるか? ニーチェ「超人」思想に学ぶ限界突破、と書かれた山を駆け登るランナー。
目次

1. 3分で限界の「Zone5」を22分間維持できた理由

ランニングの心拍ゾーンにおいて、ゾーン5(60%)とゾーン4(35%)の滞在時間が高い割合を占める計測結果画面
心拍ゾーンのタイム表示にて、高強度なゾーン5とゾーン4での運動時間が大半を占めていることを示しています。

通常、心拍数が最大心拍数の90%以上(177bpm以上)に達する「Zone5(ゾーン5)」領域は

わずか3分間のダッシュでも心臓が爆発しそうになり、肺が焼き付くような感覚に襲われる極限状態です。

しかし先日のレース本番、私のGarminデータには「Zone5の滞在時間:22分39秒」と記録されていました。

通常なら3分で限界を迎える負荷の、実に7倍以上の時間をこの領域で走り切っていたことになります。

この極限状態を維持できた背景には、間違いなく日々のランニング習慣による身体のベース作りがありました。

そしてもう一つ、走っている最中に意識していたのは驚くほどシンプルなことです。

意識したシンプルな事2選
  • 「とにかく1歩だけ前に踏み出すこと」
  • 「呼吸を絶対に止めず、一定のリズムで調整し続けること」

頭の中から雑念を削ぎ落とし、動作と呼吸のコントロールだけに全集中する。

それが極限領域で身体を動かし続けるための第一条件でした。


2. ニーチェの「超人」思想と、現状を超えたい反骨心

なぜ人は、これほどまでに苦しい状態に自ら挑もうとするのでしょうか。

ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの思想を当てはめると

その根本には「自分自身を超えたい」という強い意志が存在していると気づかされます。

ニーチェは、現状に満足せず絶えず自らを超越していく存在を「超人」と呼びました。

レースやトレーニングでZone5に飛び込む原動力になっているのは、単なる自己満足ではありません。

「今の自分に対する悔しさ」や「まだこんなものではないという反骨心」

つまり現状に甘んじたくないというポジティブな欲求不満です。

そのエネルギーこそが、やりたくもないはずの「限界領域への挑戦」へと背中を押す強力なパワーになっています。

山の頂へと曲がりくねりながら続く道と、その先に輝く眩しい太陽
険しい道のりの先にある目標や光明を象徴的に表現した、山頂へ続く一本の道の風景です。

3. 精神的葛藤の乗り越え方と「判断のシビアさ」

Zone5で走り続けていると、メンタル面では激しい葛藤が生まれます。

  • 「きついからもう止めたい」
  • 「歩けば楽になるのではないか?」
  • 「なぜわざわざこんな苦しいことをしているのか?」

ここで立ち止まっても進んでも、誰かに怒られるわけでもなく、世界が大きく変わるわけではありません。

しかし、私は「それなら進む」という選択をします。

葛藤は「一時的なもの」に過ぎない

進む選択をする理由は至って合理的です。

この「苦しい」「やめたい」という精神的葛藤は短期的なものだからです。

立ち止まれば葛藤は消えてその瞬間に楽になりますが、走り続けても(頭の中では長く感じられますが)少し時間が過ぎれば葛藤は消え、最後には大きな達成感が残ります。

どちらを選んでも葛藤はいずれ消えるのだから、未来に達成感が残る「進む」方を選ぶのです。

精神的葛藤と「身体的危険」を混同しない

「精神的葛藤と身体的危険を混同しない」のテキストと、不安や崖の危険を描いた図解
悩む人の心理状態と崖からの転落事故を図示し、精神的な苦悩と物理的な危機の違いを解説しています。

ただし、苦痛を受け入れることにおいて、一つ絶対に譲れない境界線があります。

それが「身体的な危険や命に関わるリスクとの見極め」です。

もし足に異変があり「ここで無理をすれば骨折や肉離れを起こす」という身体的なシビアなサインが出ているなら、私は迷わず立ち止まります。怪我をすれば取り戻すまでに膨大な時間と苦しみが伴うからです。

  • 精神的な葛藤(やめたい、甘えたい): 乗り越えて前へ進むべき対象。
  • 身体的なシビアなサイン(怪我、命の危険): 柔軟に撤退し、自分を守るべき対象。

自分自身の状態を深く知り、「精神的な甘え」と「身体的な危険」を明確に区別するシビアな判断力があってこそ、安全に限界突破を試みることができます。


4. 限界を出し切った先にある成長と「人生への連鎖」

Garminのランニングデータ。調布市での10月19日の10kmランの記録。
Garminのランニングデータ。調布市での10月19日の10kmランの記録。

レースを走り切った後、胸に広がったのは爽快感でした。

社会的に何か大きな偉業を達成したわけではありません。しかし、その日に向けて積み重ねてきた努力と、本番での極限状態の中で「持てるすべてを出し切れた」と自分自身で思えたこと。

それ自体が、間違いなく自分の中での「一歩の成長」でした。

Zone5で限界を超えた経験、葛藤を短期的だと捉えて一歩を踏み出した思考法は、ランニングの中だけに留まりません。仕事や日常で壁にぶつかった時や、プレッシャーに直面した時にも「あの苦しみを乗り越えたのだから大丈夫だ」という自己効力感となって波及していきます。

ランニングで鍛え上げた精神と肉体は、生き方そのものを前へ進める力として、確実に人生の他のエリアにも良い連鎖を生み出していきます。

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